麻婆豆腐の作り方

読者の皆は料理をするだろうか?
これを見ている独身男性の読者は、家庭という枠組みとは無縁な故に必要に迫られて料理をするという場面は殆どないだろう。そのために、多くの人は外食産業の企業努力(という名の労働者の搾取)によって作られた、それなりの味それなりに安い値段の弁当なり総菜なりを食していると思う。

その状況下において、我々はなぜ料理をするのだろうか。
普段は外食だけど、2日に1回とか週に数回とか2週に一度くらいとか、一定の頻度で料理をする人はいると思う。何故か?
その答えは外食では味わえない自分好みの味を楽しみたい、無限の時間を掛けて手が込みすぎた料理を生み出す趣味を持っているか、概ねどちらかであろう。
後者のことはよく分からないが、前者は食事というどんな人間にも与えられた機会において、多少手を加えてでも美味しいものを食べその効果を最大化するという、ごくありふれた誰もが自然に行うものだと思う。

 

さてここから本題だが、そうやって多少の料理をして自分好みの味を生み出す時に最大の課題が生まれる。それはどうやって自分好みの味を生み出すのか?、つまり自分にとっての最適なレシピの策定である。

世の中名前の付いた料理に対してそのレシピは沢山ある。それはその通りで、人それぞれが思うその料理の味が無限にある数だけ再現の手法も存在しており、風味に変化をもたらした時にはその振れ幅がされに広がっていく。

料理は奥が深くていいな。

 

 

………この記事ではそんなことを言いたいのではなく、そんなに作り方があったら自分好みの味の再現方法が一向に分からないではないか!そういった環境に問題提起をし、それを少しでも解決できるようにしたいと考えたのである。

自分好みの味を自らの手によって見つける方法は至難の業である。店で食べたあの味が良かった、運よくその店で作り方を聞けて自宅で作ったがなんか味が異なる。何が違うんだ。料理をするとそんなことが多くあると思う。そして、毎日料理をしない我々はスキルが足りないためにその解決策を上手く作れず、再現できないが食べたい味が生まれるのだ。

さて、それに対しての解決方法とは何か。筆者の用意した答えは「とにかく多くの情報に当たり、試行回数を増やせ」である。結局のところ、料理は答えがないので自分で見つけるしか無いのだ、原材料の味が分かっていればこれをもう少し加えた方がいいだとか、加熱の順番を変えると風味が変わるだとか、そういったことを少しずつ知識として蓄え、そして前回とは違う調理法、材料を試して理想の味を求める必要があるのだろう。

 

 

【本編】

ということで筆者がよく作る麻婆豆腐のレシピを公開する。
但し、よくネットにある材料とその製法だけあってもそういう作り方があるのか…になるだけなので、材料が味に与える影響や材料の投入の順番の意味等のメモを付け加えることとする。このレシピによって、読者の皆の理想の麻婆豆腐を生み出す一助となれば幸いである。

なお、本編前に述べたように、料理は試行錯誤の連続であり、材料製法の変化での試行回数が求められる。筆者の書いたものからあらゆる要素を変化させる余地がある事を念頭に置いて読むべきである。

 

 

・概要

  1. 料理名:麻婆豆腐
  2. 味詳細:醬油と所謂中華調味料をベースとした味に、辛味として豆板醬と花椒を加えた。それぞれの調味料等の量によって味は変化するが、痺れる辛さと旨みでご飯が進む味である。
  3. 食感:素材を炒めた通り。挽肉炒めが好きな人には合うか?スープは少なめ。
  4. メモ:ネット上に転がっているレシピを複数組み合わせた。恐らく最も影響を受けたのはNHKみんなの今日の料理HPにある陳健一の麻婆豆腐であるが、スープの有無などで違いがある。

 

 

・材料

  1. 豚挽肉200g:筆者はいつも220g前後のものを使用している。赤身のものでも出来上がりに大差はなかった。
  2. 木綿豆腐一丁:筆者は舌触りと炒める際に崩れないことを好んで木綿を使用。恐らく絹でも問題ない。なお、豆腐の種類によっては完成時に汁が出て一般的にイメージされる麻婆豆腐に近くなった。物によっては味も変わるため、複数の豆腐を使用して好みのものを見つけるべきである。
  3. ねぎ1本:若干ねぎが多めになるかもしれないが、筆者はこれが常である。1.5本でも味に変化はない。

 調味料類

  1. 植物油
    食用油には詳しくないので種類等はよく分からない。量は炒めものにしては多いかな…くらいを推奨する。料理は大抵油多めの方が旨くなるのだ。定量的な表現だと大匙2-3杯ぐらいなのか?(測ったことがないので不明)。なお入れすぎると不味くなるような気がするので注意。
  2. ニンニクチューブ 2-3cm程度
    多分入れた方がいいと思うが、入れなくても美味しくなる。実際に作るときは調理場に物差し持ち込むなどはせず、小指の半分を目安と覚えておくべきである。
  3. ショウガチューブ 2-3cm程度
    ニンニクと同様
  4. 豆鼓(トウチ) 4-6粒程度
    豆鼓とは大豆を加工した調味料だそう。詳細はWikipedia等を見て。この調味料を加えると味が柔らかくなる。口に加えた時に醬油等ベースの味が脳に伝わるがその味がまろやかとなり、豆板醬等の辛味はその後にしっかりと効いてくる。筆者の意見としては入れた方が美味しくなると思う。無くてもよいがあって欲しい。
    筆者はユウキ食品「~中華小袋シリーズ~豆鼓」を使用している。
  5. 豆板醬 大匙2杯前後
    辛味を出す調味料。チューブ形状のものだと入れやすいのでおすすめ。製品によって味や辛味が大きく違うので注意が必要。筆者はユウキ食品「四川豆板醬」(チューブ100g)を使用している。量はそれぞれの好みに合わせて調節すべし。
  6. 甜麵醬 大匙2杯前後
    所謂中華甘味噌。入れると味が整うが、入れすぎると変な味になるので注意が必要。これもチューブがおすすめで、製品によって味が異なる。筆者はユウキ食品「甜麵醬」(チューブ100g)を使用している。
  7. 中華調味料 大匙1杯前後
    味覇とか創味シャンタンとか香味ペーストとかの名称で売られているアレである。ベースの一つとなる中華っぽい味を出す。筆者はクックドゥ「香味ペースト」(チューブ120g)を使用している。
  8. 醤油 大匙0.7杯くらい
    日本人の料理は大抵これが入る。麻婆豆腐においても例外ではない。どこの製品でも対して味は変わらないと思う。筆者はヤマサかキッコーマンの醬油を使っていた筈。
  9. 花椒(ホアジャオ) 20-30粒程度
    痺れる辛さを生み出す。これがあると無いとでは大きな違いがある。麻婆豆腐っぽさを出すためには不可欠と言っても過言ではない。好みはあると思うが、入れた方がいい。これも様々種類があるが、筆者はユウキ食品「~中華小袋シリーズ~四川花椒」を使用している。

(一覧表)

 植物油

 ニンニクチューブ 2-3cm程度

 ショウガチューブ 2-3cm程度

 豆鼓(トウチ) 4-6粒程度

 豆板醬 大匙2杯前後

 甜麵醬 大匙2杯前後

 中華調味料 大匙1杯前後

 醤油 大匙0.7杯くらい

 花椒(ホアジャオ) 20-30粒程度

 

 

・必要とされる調理器具等

  1. フライパン:小さすぎると炒めづらいのでそれなりの大きさがあるものがよい
  2. 包丁:豆腐とネギを切る。切れればなんでもいいが、切るに困らないサイズと切れ味がよい。
  3. まな板:大きい方がいい。時短を考えると豆腐とネギ(1本を3分割)、豆腐を入れた後のネギみじん切りの2場面でそれぞれの材料が入り切る程度の大きさが望ましいか。
  4. 皿:映えを狙わないなら取り分け皿に直接盛る方がいい。洗う皿が減る。

 

 

・作り方

筆者の調理時間は下記の手法を延滞なく行った場合で概ね15分である。
なお、炒める時間は適当である。正直肉に火が通っていて、味付けが全体に均一に付いていればなんでもいいので、各々の好みに合わせてよい。

 

  1. 植物油を引き、ニンニク、ショウガ、豆鼓、豆板醬を入れ炒める。
    筆者は香り出しを意図して熱が加わったな程度まで炒めているが、この後挽肉と一緒に熱を加えるので入れるだけでもいいのかもしれない。
  2. 挽肉を入れ炒める。炒める程度は挽肉を崩した後に全体に火が通り赤い部分が無くなるまで。
    なお、時短のためにこの炒めている間に、①豆腐をパックから出して適当な大きさに切る②ネギを3等分にするの2点を実行していると後が楽である。
  3. 甜麵醬、中華調味料、醤油を入れ炒める。この工程では味付けが均一に全体に広がり、少し熱を加えた程度で問題ない。
  4. 適当な大きさに切った豆腐を入れる。豆腐が均一に全体に広がり、味が付く程度まで炒める。
    時短のため、この時にネギをみじん切りにする。
  5. みじん切りにしたネギを入れ炒める。この時に炒めた程度によってネギの食感が変わる。筆者はそれなりにシャキシャキ感あって欲しいのであまり炒めない。
  6. 花椒を入れる。
    花椒は入れる前にコップの底等で叩き、身を砕いてから入れる必要がある。風味等を考えると多分直前の方がいいが、そんなに違わないかもしれない。花椒はしっかりと全体に均一広がっていないと突然の痺れる辛さに悶絶する羽目になるため、しっかりとかき混ぜておくことをおすすめする。
  7. 完成

 

以上が筆者流の麻婆豆腐の作り方である。

日帰り北海道をした話②

昼にはまだ早い時間に雪像を見終わり暇となった。友人によるとすすきの付近の別会場には氷像もあるということだったので見に行くことにした。

 

途中で立ち寄った神社。

 

サイドリザベーション方式だと車に邪魔されないので良い。

 

 

 

本音を言うと氷像の方がクオリティ高くて見応えがあったと思う。

 

昼の時間である。某苫小牧観光大使を擬人化したキャラクターの影響によりカレーラーメンとなるものを食したい欲は多少あったものの、札幌市内でとなると新札幌まで行かねばならないらしいので断念し、良さげラーメン屋を探すことにした。

 

 

寒い土地で食うラーメンは旨い。
友人氏がカップ麵で見たことあると言っていたが、確かに見たことあるような印な気がする。

 

 

雪像を見て飯を食い、概ねの目標を達成したため本格的に暇になってきた。
とりあえず札幌時計台に行ったものの、それ以外の市内の博物館的なところはどこも休館日であった。

札大に行くことにした。理由はあまり覚えていないが、構内がデカい大学があれば行きたくなるものであろう。

 

 

札大構内は、一面雪景色であった。そしてロードヒーティングの無い札幌の姿をそのまま残していた。歩道はほとんど除雪されておらず、踏み固められて氷と化した路面の上にサラサラの雪が積もりなんとか歩道として機能している歩道が敷地の端まで延々と続いていた。

こんな状態の構内でも、まだ後期の授業が終わっていないのか北大生と思われる人々が次々と通り過ぎていく。驚くことに、彼らは決して良くない路面状態の歩道を苦にもせず、とんでもないスピードで歩いて行くので驚きである。

 

我々はよくわからないテンションでひたすらに歩き続け、18条通りを越え学部生の来ない人気の少ないエリアまで辿り着いた。

 

18条のトンネルを越したすぐの場所に札幌農学校第2農場なる施設群があった。明治から大正期頃に建設された木造・レンガ造りの建物が複数あり、それらが無料で見れるとのことだった。

 

 

良さのある建物が敷地内にこんなにもひっそりとあるのかとという感じである。札幌の観光名所としてもう少し着目されても良いのではないか。
新コロのせいで屋内には入れなかったので機会があれば再履をしたいものである。

 

そこから少し北まで歩いたものの、北20条門辺りから先は除雪すらされていないため敷地の端までは行けなかったために踏破は諦めた。
ただ北端を目指して一直線に歩いて結構遠くまで歩いた感覚であったが、これが西にも未踏の広い敷地が広がっているというので本当に北大は広い。

 

 

もうやる事も無いし歩き疲れたし酒でも飲むかということで地下鉄ですすきのまで戻り、Googleで評価の良さげな飲み屋に入った。

 

上の貝の刺身はホッキ貝である。これも某ウマ娘に影響されて頼んだ。
どれも旨かったが、特に旨かったのは左下の白子。生臭さというのが一切無く、珍味を殆ど食べない筆者でももう一度食べたいと思うほどのものであった。
(筆者の映え能力が低く旨そうに見えないのは目を瞑って欲しい)

 

goo.gl

 

控え目に言って当たりの飲み屋であったと思う。札幌で飲み屋を探す時はぜひ。

 

 

時刻は5時頃、雪像プロジェクションマッピングが始まる頃だったので大通公園に戻った。

 

 

 

Snow Mixは結構すきな曲。行ったことは無いがライブみたいな雰囲気は多分好きなので、結構いい感じの気分に浸れた。

 

 

 

凄いような、そうでもないような。常に進化し続けている映像技術に触れていると凄いものに凄い刺激を受けるということが少なくなっていくような気がする。

 

 

明日帰るという友人と別れ、札幌の夜の街を目に焼き付けつつ帰路についた。

 

 

 

日が暮れ始めてから粉雪が舞っていた。多くもなく、少なくもない、街を歩きながら雪を楽しむには程よい量の雪が降る。
札幌の街は、物語の中に出てくるようなとても美しい光景となっていた。

 

 

札駅6時頃発のエアポート快速に揺られて新千歳空港に向かう。
行きは随分長く感じた35分だが、帰りは一瞬だったような気がする。

 

 

 

 

 

JL530便はほぼ定刻で羽田に着いた。

 

 

 

日帰り北海道、できるけど1泊した方がゆとりはあるよね。そういう感じである。

日帰り北海道をした話①

特典航空券目当てにJALカードnaviでマイルをひたすらに貯めていたが、気が付いたら卒業の数ヶ月前。3000マイルで片道航空券の特典は学生のうちのみ有効であるために急遽旅行に行くこととした。

秋田や山口といった筆者が未踏の県に行くというのも一時期は考えたが、無計画な筆者は旅行のことなど考えず労働を拒否し金無しとなっており、飛行機にはタダで乗れるが旅行に行くための金は無いという状況に陥っていたのである。
そうなると空港と県都付近でうろうろするだけのあまりに無価値な使い方となることは明白なためその案を棄却し、短時間で見れて期間限定の開催、更にその時期航空券の価格が暴騰するであろうさっぽろ雪まつりを見に行くことにした。

 

日程だが、金無しなので当然宿は取らない。日帰り北海道の理由はそれだけである。

 

オタクの朝は無駄に早い。4時に起きて羽田までカブを飛ばし、6時30分発の飛行機に搭乗した。

 

 

 

 

冬の渡道において一番の懸念とされる天候は晴れのち曇りと安定しており、ほぼ定刻通り新千歳に降り立った。

 

 

 

 

士快速でもイランカラプテ(プの小文字ってどうやって出すんだ)と言うらしい。思えば前回でっかいどーに来た時はウポポイが出来たばっかか何かの時でイランカラプテ放送も無かったような気がする。

 

 

到着してすぐに飛び乗った8時30分発(n分遅れ)のエアポート快速
エアポート快速に乗るのはあの忌まわしき列車・カムイッポヨが現役の時以来であろう。何度も訪れたことのある土地だと時の流れを感じるものである。

ピーク過ぎとは言え平日の300万都市の都心方面行き電車は新札幌を出る頃には立ち客が出る程度の混雑だった。

 

 

札駅に到着してすぐに試される大地の洗礼を受ける。天井の配管が突然破壊されたらしい。

 

 

札駅の南側は美しい。

 

北海道はなんだかんだ最も旅行先にした地方の一つであるが、毎回夏かその前後の渡道であった。そのため筆者は今回の渡道が初めての冬の北海道である。
無意味に札駅の駅前広場に繰り出しては写真を撮り雪を触りなどをして、大通公園まで地上を歩くという観光客ムーブをかました。

 

札幌の雪がサラサラというのは本当だった。トーキョーではの雪は非常に重く、溶けるか雨で流されるかしない限りは残る雪である。その一方で、札幌の雪は非常に軽い。工事か何かで路上を占有していた巨大重機から、電柱や街路灯の上から、昨日積もった雪がサラサラと降って来ているではないか!
横断歩道に差し掛かる。東京ではぐちゃぐちゃになるか凍るかして最悪のコンディションと化した路面に深く絶望し、滑らぬよう汚れぬよう細心の注意を払いながら横断するものだが、札幌は違った。札幌の横断歩道は少し茶色くなったサラサラの雪が”積もっているだけ”であり、粉状の雪を押しのけるように歩くだけなのである。
これこそがパウダースノーなのか!とテンションを上げながら目的地まで歩いていた。

 

 

大通で待ち合わせていた初音ミクオタクの友人と合流し、雪像巡検を開始した。

 

 

 

総じて光線が悪い。

 

雪像は2丁目から11丁目あたりまである、一つ一つ見ていくとそれなりの時間が掛かるが、地下鉄で1駅程度なので30分もあれば見終わる。これにて目的達成である。遠い土地のものを自宅出発から6時間後に達成となるとなんだかなと思うような、そんな感じである。

 

 

②に続くかもしれない。

 

高知・松山巡検①

47都道府県踏破というのは特に理由もないが達成したいものである。
そんな訳で香川以外未踏であった四国への巡検を実行した。

 

今回の旅行も飛行機を利用した。
往復飛行機&素泊まり2泊(1泊は温泉旅館)で33Kの爆安ダイナミックパッケージを売ってくれた赤組には感謝である。

旅行先多動オタクは行動時間を最大にするために早朝から行動を始めるのだ。
今回は(電車での各種行き方に飽きたため)初めて空港連絡バスというのを利用した。運賃は電車で行くより300円近く高く所要時間でも劣るものの、乗れば出発ロビーまで連れていってくれるのでこれはこれでいいものである。
乗客は北千住で18人くらい、千住大橋で5人くらい乗車していた。三が日終わって朝イチの下り便を使う人はこんなにもいるのか…?

バスは入谷から首都高上野線に乗り、芝浦JCT台場線湾岸線を経由して、時間通り羽田空港第一ターミナルに到着した。

 

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前回の福岡長崎巡検の際に遭遇した「人がほぼいない羽田空港」というのは新コロちゃんによる異常事態であったようである。早朝6時過ぎにもかかわらず出発ロビーにはそれなりの人が存在していた。
彼らが帰省客なのか重度の出張族なのかは不明だが、少なくとも普通の客は多くいるものだと思われ。
時間に余裕があったので屋上で時間を潰そうとしたが6時半から解放ということだったので、諦めて大人しく保安検査を通過した。

 

保安検査過ぎてから搭乗開始までの時間は虚無の時間である。飛行機にはあまり興味はなく、空港施設に明るいオタクでもないのでやることがない。
エアポート飯おじさんをして搭乗までの時間を潰した。

 

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日の出前の羽田は好い

搭乗口は82番と案内された。天下の羽田空港とは言え80も搭乗口があるわけがない、つまりはボーディングブリッジがご用意できませんでしたということだ。

 

エアポート初心者おじさんなので、バスで飛行機までご案内は初めてである。札幌市営地下鉄東豊線を彷彿させる街中では有り得ないサイズのクソ幅広バスに詰め込まれると、非日常を感じられて非常にテンションが上がるものである。

 

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ドナドナされた先はぼく管でスカイマークをよく停める場所である(偏見)、北ウイングの更に北の端である。なぜ南ウイングからはるばる北の果てまでバス移動なんだとは思うが、車窓で満喫できたのでこれはこれで良いものである。
機材は738、乗客はバス1台でどうにかなった程度の人数なので30人はいない程度であった。

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地上からの飛行機は良さが高い

 

いつも通りDから離陸し、本牧江ノ島、沼津、浜松、紀伊半島辺りを通って高知空港へと着いた。

 

 

 

高知空港からは最近完成した高知南道路を経由する空港連絡バスが便利である。ごめん・なはり線でも行けるらしいが、1キロちょっと歩いてそこから時間1本の列車となれば鉄道オタクでもとてもご利用にはならない。

はりまや橋で降車し「MY游バス1日券(1日1000円)」を購入して路面電車へと乗り換える。この「MY游バス1日券」というのは「MY游バス」というバスに乗れるようになる乗車券に路面電車市内乗り放題や各種施設の割引などが特典で付いてくるものである。詳しくは後述するが、桂浜と五台山に行く場合であればこの券がおすすめであるものの、それ以外であれば別の券を使うべきであるといった変な券である。

 

 

観光地を巡りつつ街を楽しむというのは常に時間に追われるということである。
はりまや橋から路面電車に飛び乗りまずは高知城に行った。高知城高知城前下車徒歩1分である。

 

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城、本丸が離れたところから綺麗に見えるということはそれなりに高い所にあるという事でもある。つまり登らなくてはならない。どこが平城やねんといった趣の無限の階段(大げさ)を登り、本丸へと向かう。

 

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高知城本丸は数少ない現存天守の一つである(全国で12カ所らしい)。熊本城のような鉄筋コンクリート製エレベーター付き天守ではないため、バリアフリーのバの字もない超急階段が残る建物である。

 

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この角度の階段が5段くらいあるので荷物は置いていくべきである

 

上からは高知市街地を360度楽しめる。良い場所である。

 

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これを見て分かるように、高知は山に囲まれた極めて狭い場所に広がる街である。県都としては47都道府県の中では群を抜いて”山が近い街”であることは間違いないと思う。
そのせいであるかは不明だが、かなり高層ビル・高層マンションの数が多いようにも見える。正直言ってここまで都会的な建物があるとは思っていなかったので驚きである(県庁所在地に対して失礼)。

 

降りて次は高知城の北にある寺田寅彦記念館へと向かった。
高知城歴史博物館や県立文学館など気になる施設はあったものの、旅行前に「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉に出会い、その言葉を世に残した寺田寅彦の旧宅が高知にあると知り行くことにした。

 

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太平洋戦争の空襲で燃えたが、その後再建された建物である。そして、図面が全て残されていた為に作られた当時の形が今も残っているとのことだ。
この記念館の中には寺田寅彦が残した多数の本やオルガンや銅像や写真やらなんやら色々残されていた。県立文学館の方にも寺田寅彦記念室があり、そちらの方にも多くの物品が保存されているとのことである。
寺田寅彦については最近知ったばかりなので「天災に対して知見のあった人物である」という知識しか無かったが、物理学者として多くの論文を残す他文学の才能もあり随筆を多数残している人物であることを管理人さんから教えて貰った。

ところでこの寺田寅彦記念館は高知県高知県教育委員会かの手によって保存されている施設であると思われる。高知市には県立文学館に県立高知城歴史博物館、県立公文書館文化施設が非常に充実しているとのこと。教育にカネが出ている土地は非常に良い都市だ、隠居する時には高知に住みたいものである(言うだけ言っておく)。

 

記念館を出た時点で午前11時半頃であった。そろそろ昼を考えた行動を始めなくてはいけない。
近くにあった龍馬生誕の記念碑を回収してはりまや橋へ向かった。

 

はりまや橋に向かった理由、それは繫華街に行くついでに例の超有名観光スポットを回収するためである。
それは……

 

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しょっっっっっっっぼ

 

高知には「ひろめ市場」と言う飲食店が集まった施設があるのでそこでの昼を目指して西に移動した。

 

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地方都市の繫華街と言えばアーケード街である。ここ高知にも物凄く立派なアーケード街が3-4区画に渡って設置されていた。名前は「帯屋町(おびやちょう)商店街」。
このアーケードの西の突き当りに「ひろめ市場」がある。

 

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この建物、観光客向けの飲食店が集った施設かと思っていたが、実際は「地元民が愛用する居酒屋兼観光客が使える飲食店街」というものであった。1月4日だというのに地元客で満杯である。
因みに座席は数が少ない上に各店舗共用なので席の確保は厳しい戦いとなる。ワイはソロなのにも関わらず10分ぐらいウロウロした。

 

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食したのはもちろん「かつおのたたき」

 

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まさかの店内で藁を使って直火焼きという最強スタイル。見た目だけでなく味も最の高で優勝なので高知に来たら是非とも食すべきである。

 

昼を食し終わって午後12時半過ぎ、ここから桂浜へと向かう。
MY游バス1日券の特典である「高知駅はりまや橋~桂浜の路線バス片道に乗れる」特典を使ってバスに乗る。
このバス、桂浜まで行くのは1時間に1本程度しか無いが、その手前の車庫まで行くバスは銀座線以上の間隔で無限に来る。路面電車と並行しているというのにこの本数…地方は恐ろしい……

 

桂浜まではだいたい40分程度、地方都市の路線バスらしい途中から1.5車線位の道を進んでいくスタイル。海が見えて山を登って降りたら桂浜に到着する。

 

桂浜のバス停前には「昭和に作られたであろう有名観光地には必ずある1階が土産店、2階が団体向け飲食スペースの建物」が広がっていた。この手の建物、有名観光地には必ずと言っていいほどほぼ同じような形態で存在するが、どっかの建設会社がある時期に大量に作りまくってたとかなんだろうか。

 

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きれいな砂浜である。右下に見えるのはTwitterでちょっと有名な有名な桂浜水族館である。

 

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脇に坂本龍馬像がある。

 

桂浜の見どころはあとは水族館と龍馬記念館だが、水族館は1.3Kぐらいなのでスルーして記念館へと向かった。
龍馬記念館へはちょっとした山道を通ると行ける。

 

龍馬記念館の中は大して面白いものはないが、脇には戦国時代に長宗我部氏が居城とした浦戸城の本丸跡がある。龍馬記念館と隣にある立派な建物(潰れた国民宿舎)は二の丸等の建物があったらしい。
が、城壁跡が僅かに残されているだけでその跡は殆ど見えなかった。本丸跡の小高い山も上に神社があるだけである。(ので映えカットもなく写真も撮るのを忘れた)

 

桂浜のバス停に戻り、ここから「MY游バス」を使う。このバスはJR高知駅からはりまや橋、五台山を経由して桂浜までを結ぶバスである。五台山を通る一般路線バスは存在しないため、五台山に公共交通機関で行きたい場合はこのバスを使わざるを得ない。逆を言うと五台山に行かないのであればこのバスを使う理由はないという代物である。
これだけならばまあいいが、このバスには「MY游バス1日券」が無いと乗れないという困った点もある。
これが、最初に「MY游バス1日券は五台山に行かないのであれば使う必要が無い」という言葉の意味である。

 

こんなこともあって、このバスは誰一人乗っていない。しかもボロいバスを充当させている。大丈夫なのかこのバスと券は……

 

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このガラガラバスで五台山へ向かう。行く理由はただ1つ、高知の街を見渡せる展望台に向かうためだ。

五台山の頂上に登る道は片側通行のため、バスはかなり遠回りしてから山に登っていく。ところでこのバスめちゃくちゃに飛ばしていて前を走る軽を追い回した挙句途中で待避所に追いやってたが……

 

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大都会高知の光景である。正直高知にこんなにも高層建築物があるとは思ってもいなかったのでたまげたなという感じである。
やはりこう見ると言葉通り山に囲まれた場所に街ができた地であることが良く分かる。

本当ならば日没まで粘って夜景を見ておきたかったが、MY游バスは朝9時ぐらいから夕方6時ぐらいまでしか運行しないというカスダイヤなので諦めるしかない。とさでん交通はマジでこのバスどうにかしてくれ。

 

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ライオン宰相 濱口雄幸銅像


何故かあった。高知市はやけ銅像があるような気がするが気のせいか?

 

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こういう手前と遠くの距離がいい感じになってるのよくない?

最終のMY游バスに乗りはりまや橋まで向かう。今度はおばちゃん2名の先客があった。使う人おるんかい

 

日が暮れたし歩き回って疲労困憊であるので到着したら即ビジホに入り行動終了である。
因みに高知市内には温泉が1カ所しか存在しない。その温泉もお高い旅館が頑張って地下掘ったら出てきた温泉という代物なので金なしおたくには厳しいものである。
なお日帰り入浴は16時までである、夜までやってくれ……

 

夜は再度ひろめ市場へ向かってみたが、大混雑したクソデカ居酒屋と化していたので即撤退した。あの場所は完全に地元民の場所である。
すぐ近くで昼行った店の別の店舗を見つけたのでそこで食した。間違いない店を何度も利用するのは堅実なムーブ、見知らぬ場所ではこれが一番である。(ほぼ同じものを食べたので写真はなし)

 

1日目おわり